政治思想は広義に

古代専制君主や絶対王制の時代、近代資本主義国家、社会主義国家において、政治権力の正当性根拠(神権説、人民主権論など)、政治権力行使の方法論(君主主権論、議会制民主主義、独裁、民主集中制など)がそれぞれに異なるのはそのためである。

したがって、政治思想は一般には、ある政治・経済体制を統治している人あるいは集団の安定・維持を図る思想として機能している、といえよう。

ところで、いかなる国家や社会においても、政治権力の把持者に対抗する勢力がつねに存在している。

そして、これらの勢力は、現存の支配的な政治思想に対して批判的・敵対的な思想を形成し、新しい政治思想を構築しようとする。

したがって、ある新しい政治体制が確立されれば、それに適合的な新しい政治思想が支配的な思想として定着するが、やがてその政治体制のなかに、より多数の人々の自由や幸福に役だつと思われる政治思想が出現すると、ここに新・旧両政治思想間に対立・矛盾が生じ、旧思想が新思想を取り入れて自らの政治思想の転換を図る場合もあろうし、ときには、新思想が勝利を収めて、政治権力や政治支配の方式そのものまでも変更してしまう場合(革命)もある。

政治思想をこのようにとらえる場合、政治思想の研究とは、現に政治を支配している個人あるいは集団の思想分析、またはそれに対抗する諸勢力の抱く政治思想の分析ということになる。

update:2010年01月22日